ざっくりとした本の紹介
AIとは、生成AIとは?AIを使えるサービスとは何か、生成AIが登場することの問題点は何か?を読みやすくまとめてくれている一冊。AIって聞くけど触ったことないなー、な人が、仕事場の机の上に置いとくとよさそう。
機械学習、深層学習ときて今は言語学習のターンらしい。発展目覚ましく日々いろいろな研究やサービスが出てきて、いろんな使い方を考えてくれる人がいて、面白いのだけどこれってすごい本との相性が悪いな。
ただこの本に関しては、さらりと歴史や基礎的なことが書かれているので、私のように浅い使い方をする人には長期的に有用。特にリスクに関しては、生成AI使ったことないような人が安易に犯してしまいそうな罪についてもページ数を割いて描写がある。
全国に拠点がある大企業に勤務している人でも、「グーグルで無料素材と検索して出てきたものを使ったら無料じゃなかった、騙された」と言っている人がいたので、一読しておいたほうがリスクはない。すごく仕事できる人なのに驚いた。
便利蜂の事例
中国ではすでにAIが発注予測をするコンビニがあるらしい。短期的には人間の店長より鋭い予測をしたが、長期的にはシステムを過信したことで店舗撤退を余儀なくされた。
面白いのは、システムによる効率的な指示(●時までに●個陳列、など)はスタッフを疲弊させ、不満を募らせるということ。陳列も機械が自動でやってくれればいいんだろうけど、まだ人の手に頼っているため、人の感情を指示に落とし込む必要がある。
これ結局一番嫌なことを人間がやってない?
人間と補完しあうAI
仕事が奪われるとか楽になるとか、みんなが好き勝手言うけれど、エクセルも会計ソフトもみんな使って仕事を楽にしてるんだから、うまく付き合っていくしかない。
奪われるといわれている仕事も、仕事の一部がAIに置き換わって、ほかにやることがどんどん出てくるのかもしれない。負荷の高い、脳みそ使う仕事とか。
AIの注意点
ハルシネーションだけではなく、著作権や権利の問題を広く網羅してくれたのも個人的にはポイントが高い。仕事で出会う人も同僚もあまりにも軽く考えている人が多くて、みんなここ読んで~~!と強く思った。ここだけでも、この本を読む価値は十分にあると思う。
AIの登場で未来はどうなるか
補完できる会社で業務をする人と、補完できない会社で業務をする人の間にも大きな格差が生まれそう。大きく後れを取ったうえで、自分で学んでいかなければならない。これは将来的に大きな不利になりそうである。どうなる私の人生。
AIがめんどくさいことを全部やってくれるって話だったのに、話が違う。
とはいえ、眼鏡のように、道具として使いこなすことで格差が埋まる期待もできる。
格差が広がり、格差が狭まる。世界は変わる。ついていけるのか。